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コラム : 会計

[会計] 一覧

「買った時に出現する利益とは」

 結果にコミットする」のコマーシャルで有名なライザップが、業績の下方修正に追い込まれ、事業の再編を進めています。
 ライザップは業績拡大のために企業買収を積極的に進めていましたが、決算において企業買収によって生じた「負ののれん」の会計処理が注目されました。そこで、負ののれんによって生じる利益とは何なのか、考えてみます。

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「子会社と関連会社の経営責任の違い」

 前回は一般会社と持分法が適用される関連会社の違いを説明しました。今回は子会社と関連会社の相違点を取り上げます。
 会計上は、子会社と関連会社を合わせて関係会社と呼びます。同じ関係会社ですが、子会社と関連会社の違いは、言葉では次のように表現されます。子会社は親会社に「支配されている会社」であり、関連会社は親会社の「影響力のある会社」です。子会社になるか関連会社になるかは他の要素も加味しますが、親会社の持株比率をベースにして、原則的には50%超が子会社、20%以上が関連会社になります。
関係会社になると、連結財務諸表では、親会社のグループ会社として関係会社の業績を取り込んで表示します。ただ、その表示の方法が子会社と関連会社で次のように異なります。

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「持分法の経営的意味合い」

 先日、三菱商事が1200億円を投じて、TOB(株式公開買い付け)により三菱自動車の株式を取得し、出資比率を約2割に高め、持分法適用会社にするという報道がなされました。
 今回の三菱商事の株式取得の狙いは何か、会計的側面から考えてみたいと思います。

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「内部留保の使い方」

 政府は経済界に3%の賃上げを求めています。賃金を決定するのは各企業ですから、政府の思惑通り賃上げができるかはわかりませんが、ここで注目したいのは政府が主張する賃上げの理由です。政府は賃上げの根拠の一つに、企業の潤沢な内部留保を上げています。そこで内部留保の使い方を考えてみましょう。

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「"水をさす"会計から"棹さす"会計に」

 表現は似ているのですが、その意味するところはまったく異なる言葉があります。その代表的なものに"水をさす"と"掉さす"があります。辞書を引くと"水をさす"は「うまく進行している事などに脇から邪魔をする」ことであり、"掉さす"は「調子を合わせてうまく立ち回る」ことだとあります。つまり、「時代の流れに水をさす」と言えば、時代の流れを留める、あるいは逆行する、というような意味ですし、「時代の流れに掉さす」といえば、時代の流れに従う、あるいは一層早めるということになります。
会計のこれまでの変遷を眺めてみると、"水をさす"会計から"掉さす"会計に変わってきており、IFRS(国際会計基準)導入が広がっている状況を見ても、その傾向は一層強まっていくように思われます。

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「現在の銀行の問題はB/SではなくP/L」

 メガバンクの人員削減報道にあるように、銀行業界は苦しい状況にあります。しかし、考えてみれば、銀行の苦境は今に始まったことではありません。バブル崩壊に伴う不良債権の増大もかなりの衝撃でしたが、そうしたことを乗り越えて、現在に至っています。それでは、今回も従来と同様に問題を解決できるのでしょうか。
 ところが、今回はそうは簡単ではないと思います。というのは、今回の危機はこれまでとその本質が異なるからです。従来の銀行問題は主として不良債権でした。つまり、貸借対照表(B/S)の資産の劣化が問題でした。ところが、今、問われているのは損益計算書(P/L)の利ザヤだからです。

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「なぜ、コミットメントラインが増加するのか」

 2017年9月15日付日経新聞に「コミットメントラインの利用が急増している」という記事が掲載されました。
 コミットメントラインとは企業が銀行と結ぶ融資契約枠のことです。コミットメントライン契約を結ぶと、あらかじめ契約した融資期間と融資金額の範囲内で、企業から要請があると、銀行は融資をしなければなりません。コミットメントラインの特色は、銀行は実際の融資がなくても、融資契約枠そのものに対して、手数料を取るところにあります。無論、融資を行えば、その融資金額に対して、利息を取ります。考えようによっては、企業は融資枠と融資金額の両方にコストが発生しますから、単純な融資に比べて割高になるように思われます。なのに、どうしてコミットメントライン契約が伸びているのか、会計的に考えてみましょう。

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「倒産耐久力は貸借対照表の対角線で判断する」

 決算書を受け取ったときに、まずどこに着目するのかは、受け取る人の経験に対応して身についた癖があるようです。私は銀行での融資業務を出発点として社会人生活を始めたので、良きにつけ悪しきにつけ、融資を行う銀行員特有の決算書の見方が染みついているように思います。
 銀行の企業文化も昔とはだいぶ変わってきたようで、最近の銀行は決算書から前向きの融資の種をどのように発掘するかという視点が重視されているようです。しかし、私が働いている頃の銀行では、融資担当者が最も恐れるのは融資先の貸倒であり、そのため、決算書を受け取ったときに、真っ先に着目するのは倒産しない会社かどうかを見極めることでした。いわば、「倒産に対する耐久力」にすぐ目が行ってしまうのです。ですから、分析の中心は損益計算書より貸借対照表となり、さらにその中でも流動性と自己資本比率の二つに注目することになります。

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「銀行員と決算書」

 商工中金は不正融資を行っていたことで、監督官庁から業務改善命令を受けました。これから調査が進み、全容が解明されることが期待されますが、報道によれば組織的な疑いが濃いようですから、商工中金にとってはかなり深刻な事態が予想されます。問題になっている不正融資は、災害などで一時的に業績が悪化した企業に融資したり、利払い費を支援したりする「危機対応融資」に際し、決算書の売上高や利益を危機対応融資に該当するように恣意的に引き下げ、融資を行っていたものです。
私は決算書の正確性を何よりも重んじるべき銀行員が決算書の改竄に手を染めたことに驚くと同時に、これはこれからの銀行融資に思ったより打撃を与えるのではないかという思いを持ちました。
 今回の事件を、一般の銀行ではありえない、政府系金融機関である商工中金特有のものとだとする見方もあります。ただ、商工中金は中小企業専門金融機関としてそれなりに評価を受けている金融機関であることを考慮すれば、この事件を特異な組織の特殊な犯罪だと片付けてしまうのは事件を矮小化しすぎているのではないかと思っています。そこで本稿ではやや間口を広げて、「銀行員と決算書」という視点でこの事件を捉えなおしてみたいと思います。

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「現在の決算書と将来の経営計画」

 経営計画は将来のために作成することはいうまでもありませんが、会計(現在の決算書)にも重大な影響を与えるようになってきていることに注意しなければなりません。
 経営計画は自社の経営資源や実力を十分に踏まえた上で作成します。過去の実績と懸け離れた経営計画は絵に描いた餅です。その意味で現時点での決算書をベースに経営計画を作るという、過去から未来への道筋は分かりやすいのですが、近年注目されているのは経営計画から決算書という未来から過去に時間が逆流する道筋です。なぜなら、将来の収益力の見込みが、決算書の数値を決定する会計項目が増えてきたからです。その代表が税効果会計と減損会計です。

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