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コラム : 経済

[経済] 一覧

「なぜ、マクロ的経済政策が効かなくなってきたのか」

 経済学ではかつて、一国の経済成長は財政や金融などのマクロ的経済政策でコントロールできるとするケインズ流の経済学が支配的でした。確かに、戦後の高度成長期頃まではマクロ的経済政策は有効に機能していました。しかし、1980年代からバブル崩壊後の1990年代以降、マクロ的経済政策の有効性に疑念が生じてきています。こうした事態は当初は日本特有の現象かと思われていたのですが、意外と普遍的なものと認識されるようになり、「低成長、低インフレ、低金利」を特徴とする日本化は先進国共通の課題になりつつあります。日本は少子高齢化だけではなく、この分野でも世界のトップランナーとなっています。

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「見直しが必要な金融政策と株価」

 2月に日経平均株価が3万円を超え、30年ぶりということで大きな話題になりました。その後も、日本だけではなくアメリカでも、株価の堅調は続いています。一方、実体経済を見ると、新型コロナの感染拡大で緊急事態宣言が延長されるなどして、GDPは落ち込み、とても好調な経済とはいえません。
 こうした実体経済と懸け離れた好調な株価の見方には2通りの意見があります。一つは、株価は将来キャッシュフローの現在価値を示すものであり、現在の株高はコロナ禍後の将来の経済回復を見込んでいるからだ、というものです。もう一つは、株価は経済実体とは離れたカネ余りによるバブルだ、という見方です。前者であれば、株価の堅調は続くでしょうし、後者のバブルという見方に立てば、早晩調整局面が訪れることになります。

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「コロナ禍が終われば元に戻るのか」

 新型コロナの感染拡大はビジネスに大きな打撃を与えています。ただ、ビジネス側の打撃の受け方は一様ではなく、感染拡大が収束した時、元に戻るものと戻らないものがあります。コロナ禍は、いつかは分かりませんが、必ず終わりが来ます。その終わりが来た時に備え、自分の会社が受ける打撃の態様を見極め、対策を練っておかなければなりません。

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「企業実態と乖離するようにみえる株価」

 株価が堅調に推移しているように見えます。9月3日の日経平均株価(終値)は23,465円と、2月21日の新型コロナウイルス感染拡大前の23,386円を超えたとの報道がありました(2020年9月4日付け日本経済新聞)。日経平均はコロナ禍後の底値16,552円(3月19日)から42%上昇したことになります。
  株価は高いに越したことはないと思われるかもしれませんが、世の中これだけ新型コロナによる不況が蔓延し、4月~6月のGDP(国内総生産)は年率換算で28.1%減少と戦後最悪を記録、企業業績も赤字あるいは大幅減益決算が相次いでいる中で、株価だけが好調というのは、やや居心地の悪さを感じます。株価は日々変わるものですから、本稿掲載時点の株価がどうなっているか分かりませんが、今回は株価と企業実態との間に往々にして生じる違和感について考えてみたいと思います。

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「金利が表す銀行の苦悩」

 2020年7月29日付け日本経済新聞に全国の地方銀行、第二地方銀行の多くが、先行していた大手行に続き、定期預金の金利を従来の5分の1にあたる0.002%に引き下げたとの記事が掲載されました。
 5分の1と聞くと随分思い切った引き下げだと思うかもしれませんが、引き下げ幅を見ると、従来の0.01%から0.002%への引き下げですから、わずか0.008%の引き下げに過ぎません。100万円を1年間預けたときの利息は、従来100円であったものが20円になるということになります。100万円についてたった80円の差額です。4~5%の金利が普通だった時代から考えれば、ほとんど誤差の範囲内です。こういう時代になると、果たして金利とは何なのか考えてしまいます。

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「見直されるべきノンリコースローン」

 スルガ銀行の不正融資問題が決着に向けて動き出したようです。その決着の方法は我が国の金融業界におけるローンのあり方に一石を投じているにように思います。

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「口座維持手数料が与えるインパクト」

 日銀が進めているマイナス金利政策が民間銀行を苦しめています。だからといって、日銀はマイナス金利政策を止める様子はなく、場合によってはその深堀もあり得るとアナウンスしています。
 マイナス金利政策による収益悪化の対応措置の一環として、民間銀行は預金口座に口座維持手数料をかけるのでないか、という話がささやかれるようになっています。実際、預金者に口座維持手数料を負担させるまでにはかなり高いハードルがあると思いますが、マイナス金利の深堀が本当に行われれば、民間銀行も背に腹を変えられず、これまで禁断とされてきた口座維持手数料に手を付けざるを得ないかもしれません。もし、口座維持手数料を本当にかければ、預金者はどのように動くか考えてみたいと思います。

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「消費の最適解が分からない」


 10月から消費税率がアップしますが、税率アップに伴い生じると予想される消費低迷に備えて、政府は様々な消費喚起策を用意しました。果たして、こうした施策が政府の思惑通り消費を喚起するのかが注目されますが、私は消費の盛り上がりは期待できないのではないかと思っています。一般的には、実質賃金が上がらないとか、年金が不安だとかいった経済的要因に焦点が当たると思いますが、私がここで注目したいのは、消費を喚起すべく導入した政策そのものが引き起こすであろう混乱に伴う消費低迷です。

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「経済対策に振り回されない」

 予定どおり10月に消費増税があると、消費の落ち込みが予想されます。そのため、消費を盛り上げようとして、様々な経済対策が実行されようとしています。クレジットカード利用に伴うポイント還元、プレミアム商品券の交付、あるいは車や住宅などの購入を対象とした各種の減税も用意されています。こうした対策により消費を喚起しようというのが政府の狙いなのですが、それに対して我々消費者はどのように対応すべきなのでしょうか。
 確かにこれらの対策は、定められた期間に、定められた方法で、定められた物品を購入すれば、そうでない場合に比べて金銭的に有利になるように設計されていますから、この機会に先々消費されると予想される分も含めて多めに購入した方がいい、と考える人がいてもおかしくありません。しかし、私はそうした考え方には賛成できません。
 京セラフィロソフィーで有名な稲盛和夫氏も次のように言っています。

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「不毛な議論を招く軽減税率」

 政府は、既定方針通り2019年10月から消費税率を10%に引き上げる予定だと発表しました。そういいながらも、「リーマン級のショックがあれば別だ」と、相変わらず一定の留保を置いていますから、再度の延期もまったくないというわけではなさそうです。
 消費税率を10%にするときには軽減税率を導入するということになっていますから、軽減税率の議論が再燃しています。そうした報道を目にするたびに、軽減税率が巻き起こす不毛な議論にうんざりするのは私だけではないでしょう。

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