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コラム : 経営

[経営] 一覧

「司法取引が変える組織と個人の関係」

 司法取引とは容疑者や被告が自分以外の犯罪について捜査機関に協力する見返りに、自分自身の求刑を軽くしたり、起訴を見送ってもらう司法上の取引です。アメリカのドラマや映画でよく見るものですが、それが日本でもこの6月から適用開始されました。
 その日本版司法取引の第1号がこのほど明らかになったのですが、その内容はやや意外なものであり、日本人の組織と個人の関係を考え直すものであったように思います。

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「『会社の利益』と『社会の倫理』」

 スルガ銀行が不正融資問題で揺れています。シェアハウス投資に対する融資で、売買契約書の物件価格の水増しや通帳コピーの改竄などの不正行為の実施が疑われています。詳細は第三者委員会の調査で明らかにされるでしょうが、状況からすれば、かなり疑念が濃いと言わざるを得ないでしょう。
 この事件に関連して、異なる観点から、次の二つのことを指摘したいと思います。

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「副業解禁の時代」

 従来、日本の会社の大半は従業員に副業を認めていませんでした。従業員は所属する企業に心身ともに忠誠を尽くし、企業はその見返りに退職金や年金などを含めて終身の雇用を保証するというのが日本企業のあるべき姿とされてきました。ですから、副業などもってのほかだったのです。
 しかし、ここにきて副業を認めようという動きが出てきています。副業の範囲や認め方に程度の差はありますが、報道によれば、ソフトバンク、コニカミノルタ、ユニ・チャームに続き、大手銀行では初めて新生銀行もこの4月から従業員の副業を認めました。政府が進める働き方改革もあり、こうした副業解禁は世の中の趨勢になりつつあります。そうした動きの中で、従業員も会社への向き合い方を考えるべき時にきているようです。

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「現場からの働き方改革」

 自然科学では原因と結果が一直線につながり、悪い結果の原因は当然に特定されます。しかし、社会科学は多様な原因が絡み合いながら、結果が導き出されますから、原因を短絡的に一つに特定するのは危険です。企業不祥事の対応にもそんな複線的な思考が必要ではないかと感じています。

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「実効性のある数値目標とは」

 どのような会社でも目標設定は重要です。「良い会社にする」とか「社会的に意義のある会社になる」、というような長期的に実現しようとする理想的な目標も必要ですが、利益を追求しなければならない会社にあっては、数値目標は欠かせません。そして、数値目標はより実効性の高いものでなければなりません。最近、話題になった政府の目標設定の変更に、私はその実効性の観点から疑問を持つものがありました。

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「自社の中核を磨く」

 最近、同業者間での業務提携の発表が相次いでいます。特に物流部門における提携が目立ちます。味の素、カゴメ、日清フーズ、ハウス食品グループ本社の食品メーカー4社は国内物流事業で提携しましたし、キリンビールとアサヒビールも共同輸送を拡大しています。

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「サンクコストと経営責任」

 小池百合子東京都知事の誕生で、豊洲への市場移転問題がにわかに騒がしくなってきました。これを政治的に読み解くのは、とても私の手に余りますが、投資の意思決定の問題として会計、ファイナンス論の見地から考えるのは経営的に意味のあることだと思います。

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「言い訳の仕方」

 誰しもがいつも期待通りの結果が残せるわけではなく、やむをえず不本意な結果に終わることがあります。ビジネスではそうしたとき、不本意な結果をどのように反省し、次に活かすかが重要です。先般の日銀の「総括的検証」はその面から言うと不十分であったと言わざるを得ません。
 日銀と一般会社では目的や結果責任の取り方などに大きな違いがありますが、成績が残せなかったときの総括の仕方として、普通の会社でも参考になる点があるように思います。

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「社外取締役の役割」

 東証の指導もあり、上場企業で社外取締役が増加しています。これまで日本企業の取締役は社内の生え抜きがほとんどで、意思決定が内向きになり過ぎると、かねて批判されていました。そこで、社外取締役の数を増やし、取締役会に社外の多様な意見を反映させようというのです。
 既に導入済みだった一部の先進的大会社を除き、日本の大部分の会社の社外取締役は会社内部の必然性からではなく、外部からの強制によって生まれたものです。そのため、大多数の会社は社外取締役をどのように機能させるべきかについて迷っているのが実情だと思います。
 そこで、社外取締役の果たすべき役割を投資の意思決定とトップの選任について考えてみます。

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「ガバナンスを支えるのは倫理観」

昨年は東芝の不適切会計、VWの排ガス規制問題など企業不祥事が相次いだ年でした。事件を起こした東芝やVWは、その国の名門企業と言われていた会社だけに大きな衝撃を与えました。
それと同時に我が国では、上場企業のガバナンス(統治)体制の改革も大きなテーマでした。取締役の大多数が社内出身者であることが、不祥事発生の一因になっているのではないかというのです。一般株主、あるいは社会からの視点を会社の意思決定に入れるべきだということで、社外取締役の存在がクローズアップされました。

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