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「ディスカッション」と「ダイアローグ」

2021/10/18

 日々の業務の中で様々な会議やミーティングが行われていますが、その運営手法は「ディスカッション」と「ダイアローグ」※の2種類に分けられます。両方の手法の違いを理解し、場面によって使い分けることで、より効果的な話合いに繋がるとされています。今回はその違いと、ポイントについて説明します。


 まず、ディスカッションは、一言で表すと「主張のぶつけ合い」です。意見の交換を通じて本質的な問題を見つけ出し、それを解決するためのアイデアを出し合い、複数の選択肢の中からベストな答えを選んでいくことを目的とします。そのためディスカッションでは、一つの解答を目指し、お互いの主張を寄せ合う収束型の話合いが行われることから、その場で発する意見に論理性が求められ、合理的な議論を進めるツールやフレームワーク等をうまく使いこなすことが要求されます。


 次に、ダイアローグは、一言で表すと「対話」です。自分を振り返り、互いの理解を深め、共同思考を生み出していくことを目的としており、話合いで出される意見は様々な仮説であり、判断や結論を求めません。そのためダイアローグでは、話合いの過程を通じて物事の意味を探求することから、話合いのテーマに関して様々な角度から意味を考えてみるという拡散型の会話が行われます。そのためダイアローグでは、相手や自分の内面から生み出させる言葉に深く耳を傾け、隠れた仮説を引き出し、仮説に至った意味を考えていくことが要求されます。


 この二つを使い分けるには、参加者に今回の話合いの意図を理解してもらわなくてはなりません。ディスカッションは、正しい答えがあるはずだという前提でスタートするのに対し、ダイアローグは、誰もが良いアイデアを持っているはずだという前提でスタートします。そのため、話合いの意図を汲み取ってもらうことで、その話合いの進め方が違うものになります。どちらが優れているというわけではなく、今回の話合いはどちらの手法で臨むのが効果的なのかを判断し、適切に使い分けることによって、より効果的な会議運営が行われるはずです。


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※『ダイアローグ対話する組織』
 (中原淳・長岡健著、ダイヤモンド社)より引用


(2021年10月あがたグローバル経営情報マガジンvol.27
「今月の経営KEYWORD」に掲載)

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