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「チームの成果=Be(あり方)×Do(やり方)」 (『GoodTeam 成果を出し続けるチームの創り方』齋藤秀樹著、日経BP社)

2021/08/13

 東京2020オリンピック競技大会は17日間の熱戦の末、2021年8月8日に閉幕しました。
野球、ソフトボール、卓球の団体戦など、個々人の力はもちろん大切ですが、チームワークの良さがより良い結果へと導いた種目も数多く見ることができたように思います。
会社であっても、組織を活性化させるために「もっとチームワークを良くするにはどうしたらいいだろうか」と日々取り組んでいる企業も多いのではないでしょうか。


 本書は、グッドチームを創るためのチームビルディングについて書かれています。
「チームの成果=Be(あり方)×Do(やり方)」であり、まずは「Be」という「チームやメンバーのあり方」が大切だと説いています。
その構成要素はチームで成果を上げるために必要な「推進力」となるものであり、例えば、モチベーション、やる気、本気、信頼、エネルギー、ミッション、ビジョンなどです。
 一方、成果を生み出すための「ノウハウ」となる戦略、戦術、方法論、手段、知識、システムなどは「Do」になります。
チームの成果は、この「Be」と「Do」の掛け算で生み出されるのです。どうしてもノウハウを先に導入したくなるのですが、それは「Be」という土台があってこそ活きるものなのです。


成果を上げるためには、継続的にチームを成長させていくことが必要になります。
そのためにも、メンバー相互に信頼関係があり、心理的安全性が確保されていて、やる気をもって取り組む土台があること、チームが何を目指しているかを皆が理解しているという、先述の「Be」が重要となります。


では、メンバー相互で信頼関係を築くためにはどうすれば良いのでしょうか。
まずは「相手に興味を持ち大切に思うこと」
「相手が心から望むことを受け入れ支援すること」がポイントになると著者は述べています。
言葉以上に実践はとても難しく、一朝一夕には変化を実感できないかもしれませんが、リーダーが率先垂範して変えることができれば、チームが好転するきっかけがつかめるようにも思います。
チームビルディングは、正に実践。企業の成長にとって欠くことのできないより良いチーム創りを目指して、まずは明日からの行動を少しずつでも変えていきたいと感じた次第です。


(2021年8月あがたグローバル経営情報マガジンvol.20
「今月の経営KEYWORD」に掲載)

執筆者

小林 藤子Fujiko Kobayashi

マネージャー・中小企業診断士

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