帝国ホテルに入社すると、「100-1=0」というサービスの心得を教わると言います。
これは当時の第一勧業銀行出身で、後に社長、会長等を歴任された藤居寛氏の教えとして有名な言葉です。
ホテルでは、ドアボーイがお客様をお迎えして、滞在中様々な担当者が連携しておもてなしし、最後にまたドアボーイがお送りします。
その滞在中のどこか一つでもミスがあれば、他でどんなに素晴らしいサービスをしてもすべて台無しになってしまう。
そのことを藤居氏は、「一つマイナスがあれば、答えは99ではない。『100-1=0』なんだ。だからこそ、たった一つのことでも気を抜いてはいけない」と教えています。
藤居氏には、もう一つ有名な言葉があります。
それは、「10・10・10(テン・テン・テン)の法則」
と言われているものです。
「信用、すなわちブランドを構築するには十年かかる。
しかし、そのブランドを失うのはたった十秒である。
そして失った信用、ブランドを盛り返すにはまた十年かかる」というものです。
我々あがたグローバル税理士法人でも、常に適正な決算及び申告業務を心掛けていても、たった1件の脱税に加担して重加算税を課されたり、粉飾決算を主導して金融機関から損害賠償を求められれば、これまでに築いてきた信用は地に落ちることでしょう。
運送会社で携帯電話をしながらの不注意運転で悲惨な死亡事故を起こすこと、飲食店でお客様を欺くような食材を用いること、製造業や建設業での品質検査の不正など、全ての会社において「100-1=0」が発生する事態を容易に想像することができるはずです。
「100-1=0」を強く意識した経営と従業員教育が必要であると言えます。
本文は、株式会社致知出版社から発売され、現在書店で平積みされて話題になっている『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』を一部引用しました。
我々が仕事をする上で役に立つ事例、経営者の心に響く言葉、人として成長するために背中を押してくれる言葉が満載の書籍ですので、あわせてご紹介させていただきます。
「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」
(藤尾秀昭・監修)致知出版社
https://www.chichi.co.jp/specials/proffesional365_202011/
(2021年3月あがたグローバル経営情報マガジンvol.9
「今月の経営KEYWORD」に掲載)