省力化投資補助金の申請受付が開始されてから6ヶ月が経過しました。この間、応募・交付申請が随時受付に変更になったり、「5軸制御マシニングセンタ」「プレス用多関節ロボット」等製品カテゴリ・製品カタログに次々と新しいカテゴリ・製品が追加になったりと、より利用しやすい補助金になっています。この機会に是非活用を検討してみませんか?

まず、省力化投資補助金を利用して設備投資を行う際のおおまかな流れは下記のようになります。
交付申請→交付決定→発注→納品→支払→実績報告→効果報告(以後3年間毎年)
次に、具体的な手順を見ていきましょう。
1.自社で導入予定の機械がカタログに掲載されていることを確認します
貴社で導入予定の機械がカタログに掲載されているか探してみましょう
https://shoryokuka.smrj.go.jp/product_catalog/
*各カテゴリ毎に対象業種が指定されているのでご注意ください
2.補助要件を確認します
① 中小企業等である
② 労働生産性の年平均成長率3%と以上となるような計画を策定できる
*労働生産性とは(人件費+減価償却費+営業利益)を従業員数で割ったものです
③ 人手不足である(理由を下記より選択)
i) 直近1カ月の従業員の平均残業時間が月30時間を超えている
ii) 整理解雇に依らない離職・退職によって従業員数が前年度比で5%以上減少している
iii)採用活動を行い求人を掲載したものの、充足には至らなかった
iv) その他、省力化を推し進める必要に迫られている
*具体的かつ合理的説明を詳細に記述する必要があり、審査も厳格になります
④ 補助上限額の引き上げを希望する場合には、賃金引上げ目標(事業場内最低賃金を45円以上増加させ、 かつ給与支給総額を6%以上増加させること)を達成できる事業計画を策定できる
*賃金引上げ目標が達成できなかった場合、補助上限額の引き上げは適用されません
3.販売事業者に連絡し、補助金を利用して購入したい旨を相談します
4.申請資料を準備します
*必ず「公募要領」「申請における留意事項」を確認した上で進めてください。
公募要領https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/application_guidelines.pdf
申請における留意事項https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/application_manual.pdf
(1) GビズIDプライムの取得
*取得には1~2週間かかります
(2) 計画の策定
①労働生産性の成長率年平均3%以上となるような数値計画(申請日の属する決算期から3期分)
i)損益計画
*人件費・減価償却費・営業利益の金額を申請システムに入力します
ii)人員計画
*役員と従業員の合計人数の推移を申請システムに入力します
②導入製品の使用方法についての計画
*申請システムに入力します
i) 使用者
ii) 使用場所
iii) 使用時間
iv) 使用目的
v) 補足説明
*上記i)~iv)の情報を含めた上で、機械の使用方法について200字程度で説明します
③省力化により既存業務から抽出できると期待される時間・人員の使途
*申請システムに入力します
i) 既存業務から抽出される時間・人員の使途
*今後の従業員の減少に対する業容維持(時短営業の回避など)のため、従業員の負担軽減のため、新規の受注獲得・業容拡大のため、その他 の中から選択します。
ii) 補足説明
*省力化により既存業務から抽出できると期待される時間・人員の使途についてi)で選択した内容を具体的に200文字程度で説明します
(3) 計画以外の準備
①事業場内最低賃金情報
②補助事業を実施する事業所の都道府県の地域別最低賃金情報
③給与支給総額(1か月)の実績値及び計画値(賃上げによる補助上限額の引き上げを行う場合)
④事業計画を従業員に説明する(賃上げによる補助上限額の引き上げを行う場合)
⑤損益計算書直近2期分
*提出するのは2期前の損益計算書のみですが、直近期の損益情報をシステムに入力する必要があります
⑥従業員1人あたりの年間平均労働時間
*最後にアンケートで入力する必要があります
(4) 提出書類の準備
①納税証明書(直近3期分)*税務署で取得してください
②会社履歴事項全部証明書(取得後3か月以内のもの)
③【指定様式】従業員名簿
④人手不足であることの確認資料
*2.③で選択した理由により提出資料が異なります
i)【指定様式】時間外労働時間
ii)【指定様式】従業員減少の確認用
iii)現在掲載しているもしくは直近1年以内に掲載していた求人広告の画像)
⑤【指定様式】株主・出資者名簿
⑥【指定様式】役員名簿
⑦損益計算書直近2期分
*1期毎に別のファイルにします
*前々期の損益計算書は申請項目入力後の最後のアンケートに添付します
⑧貸借対照表直近2期分
*1期毎に別のファイルにします
*貸借対照表は申請項目入力後の最後のアンケートに添付します
⑨(補助上限額の引き上げを希望する場合)交付申請時点の直近月の最低賃金者の賃金台帳
(5) 申請システムにマイページを開設 販売事業者からの招待メールに従い開設
*このページで申請を行います
(6) 申請情報の入力と提出書類の添付
*入力内容については、公式サイトからダウンロードできる「申請における留意事項」に図解入りの説明があります
(7) 販売事業者による入力
*販売事業者が必要情報を入力します
(8) アンケート入力と書類添付
*過年度の財務情報等を入力し、貸借対照表・損益計算書等を添付します
(9) 認証コードの入力、申請完了
*申請情報を送信すると、登録したスマートフォンに認証コードが送信されますので、申請システムに入力します
*上記は2024年12月時点の情報です。今後変更の可能性もありますので申請時には必ず最新の情報をご確認ください。
「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」と比べると、事業計画の作成が格段に簡単なものになっています。積極的に活用し、賢く設備投資を行いましょう。
また、経営力向上計画https://keieiryoku.go.jp/about/の認定も取得することで、特別償却(取得価額から普通償却限度額を控除した金額に相当する金額)又は取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人の場合は7%)の税額控除が適用できる可能性があります(中小企業強化税制;認定には要件があります)。さらに、自治体によっては、先端設備等導入計画の認定により対象機械の固定資産税が一定期間減額される場合もあります。こちらも是非ご検討ください。
省力化投資補助金・経営力向上計画・先端設備等導入計画の申請サポートも行っています。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。
【補助金・税額控除を活用した設備投資の一例(従業員数21人以上)】
*数字は概算によるものです。具体的な金額は顧問税理士にご相談ください。
1.2,000万円の機械について補助金1,000万円を活用→1,000万円の利益
2.経営力向上計画の認定により、取得価格2,000万円の10%(200万円)の税額控除→200万円の利益(税額控除を選択した場合)
↓
計2,200万円の利益を獲得したのと同様の効果