インボイス制度・改正電子帳簿保存法など経理業務の基本となるルールを変えるような制度変更が迫っています。
新制度への対応を単なる業務ではなくチャンスととらえることで、本格的な経理DXにつなげることができます。
あがたグローバルではこれまで中小・中堅企業に対して経営改善・システム導入支援などを多数推進してきた経験から、
経理部門が少人数でもできる経理DXの進め方を解説します。
経理部門が5人以下のよくある課題
経理部門がまだ組織化されていない場合のよくある課題の例をご紹介します。

紙ベースでのやり取りが主
相手先企業を含め、社内でも紙を主としたやり取りが根強く残っている。デジタル化を進めるにあたって、業務のやり方から見直さなければならない。

業務内容の
ブラックボックス化
業務内容が複雑になっていたり、経緯がわからないものが存在したりして、DX化したとしても業務内容の棚卸が難しい。

属人化のリスク
業務によっては特定の人しかできない状況にあり、属人化してしまっている。業務継続性にリスクを抱えている。

専任システム担当がいない
システム化を進めた後、誰が、どのようにそのシステムを管理するのか体制化されていない。自部門ではシステムに詳しいメンバーが少ない。

役員クラスが
DX推進に積極的ではない
マネージャーや役員クラスがデジタル化に積極的ではなく、課題として捉えてもらえない。新制度対応への課題意識が低い。
まずは課題をしっかりと把握し、DXを推進することで
何を解決したいのかをはっきりさせることが重要です。
経理DXを検討するポイント

現状業務の負荷分析

新制度対応への方針決定

全体像を見越したロードマップの作成・優先順位の判断

小規模・部分的な
投資の継続
これらのポイントを漏れなく検討できるように
具体的な進め方の手順を決定していきます。
経理DXのすすめ方の例
経理部門が組織化されていないケースでは、
一気呵成に進めようとするよりも、少しずつ改善を継続するほうがうまくいく場合があります。
そのため、改善効果が期待しやすいポイントをしっかりと分析し、そのポイントに絞って対策を進めることが重要です。
現状分析
請求書発行の仕様が
バラバラで統一されていない
請求書発行は各部門それぞれの仕様がありバラバラで統一されていない。請求書の受諾についても共通ルールが定められていない。請求書発行システムが部門ごとでバラバラのケースも。
ピーク性の業務で大きな残業
年末調整や法定調書、償却資産対応など、時期が限られたピーク性業務が発生すると残業をフルで使っても対応がぎりぎりになってしまう。締め切りが明確にあるため、遅れることができない業務というプレッシャーも。
退社予定の担当者業務がドキュメント化できていない
退社予定・休職予定の担当者業務がドキュメント化されておらず、引継ぎに難航する。業務の属人化、業務のブラックボックス化が深刻で、現状の分析も正しくやりづらい。
新制度対応等、将来を見越した方針決定
適格請求書発行への対応
各部門でバラバラになっている請求書発行システムを統一化、デジタル化し一元管理ができるように。請求データの一元化を機に、会計システムと連携し管理会計のレベルアップを図る。
適格請求書発行事業者の確認体制の構築
適格請求書発行事業者の確認、確認内容に応じた振り込みまでのワークフローの確立。
改正電子帳簿保存法への対応
電子保存要件を満たした電子情報の保存。過去のドキュメントのデータ化も行い会計業務に関わるペーパーレスを推進。
改善優先度の判断
適用期限がある
制度対応を最優先で進める
対応締め切りや時限措置のある法制度への対応を最優先で進め、その対応周辺でデジタル化が進んだ内容からDXを拡張させていく。
従業員へのサービス向上を重視して優先度を判断する
足元でデジタル化されていない経費精算業務など、従業員へのサービス向上が期待できるものを優先する。従業員アンケートなどから要望を集約し、優先度を判断する。
費用対効果を軸に
優先度を判断する
現状の課題とそれに関わる費用を照らし合わせ、費用対効果がもっとも期待できる業務からデジタル化を進める。
ロードマップの作成
まずはデータ化。
ペーパーレスの徹底をする。(デジタイゼーション:Digitization)
もっとも改善効果が高そうなアナログ業務からデジタル化を進める。SaaS型の経費精算業務や勤怠管理の導入、給与のウェブ明細など紙ベースでの業務をひとつひとつつぶしていく。
業務プロセスを選定して、一連の流れでデジタル化。(デジタライゼーション:Digitalization)
請求書管理、経費精算、給与計算など特定の業務プロセスを選定して、一連の流れでデジタル化を推進し、業務の効率化を図る。
総務部門にとどまらない
横断的なDXの推進(デジタルトランスフォーメーション:DX)
一定レベルまでデジタル化・データ化が進んだあとは、システム間のデータ連携を強化し、一元的なデータ分析を可能とする。特に経理業務の場合、売上や費用に関わる最新データを経営・各部門に提供することで意思決定のスピードアップを後押しする。
改善対象業務のシステム選定
部分的な業務を改善する
(データは都度所定の形式で取り込む)
経費精算システムの見直しなど、独立した機能として提供されているSaaSを利用して、部分的な業務改善をまず進める。データの修正は都度所定のデータ形式で取り込むなどして、データ連携を個別に行う。
データ化された情報をいずれかのシステムに一元化する(データはAPIで連携し、会計システムに一本化される)
会計システムや人事給与システムなど、コアとなるシステムにすべてのデータが取り込まれるようにシステム連携を強化し、データの一元化を行う。
会計システムの抜本的な見直し(すべてのシステムとシームレスにデータ連携)
会計システムそのものから見直し、現在の業務ではなく、あるべき姿の業務プロセスに最適なシステム構成を再構築する。
システム選定・導入
部分的な業務改善からシステムを選定し、まず導入
導入が手軽なSaaS製品を選定し、その業務単位で最適化して評価・選定。
現在のコアとなるシステムとの連携を前提に周辺システムを選定し、導入
現在コアとなっている会計システムなどと、連携実績がある周辺システムから選定を行う。データ連携の手間やデータ引き渡しのタイミングなどに着目。
コアとなるシステムから見直し、選定・導入
根本的なコアシステムの選定からスタートし、将来あるべき姿に向けてベストなシステムを構成する視点でシステム選定・導入を行う。
改善評価
特定業務における
工数の削減ができたか
改善をねらった業務について実際に工数の削減が行えたかを評価する。実際残業の減少や人員の配置転換など、具体的な成果を測る。
属人化やブラックボックスが解消し、業務継続性が強化されたか
特定のメンバーが保持していたノウハウが、システム化によって共有され、複数のメンバーで業務推進ができるようになったか。システム化されるだけでなく、ドキュメントの整備、システム利用のトレーニングを通じて、業務継続性が強化されたか。
データの利活用が進み、
経営の意思決定が早くなったか
経理に集まるデータが共有、利用できる状態となり、経営レポートの品質が上がったか。実際に経営の意思決定が早くなったか。
想定される新制度
新制度は順次内容が決定されていくことから、
それぞれの最新情報をチェックしておかなければなりません。
あがたグローバルであればこんなサポートが可能です
経営改善に実績
幅広いシステム選定・導入実績
会計・税務申告・固定資産管理・消費税
など、税務・会計に関する
多くのシステムを経験済み。
経営の参謀として、
単なるシステム導入ではなく、
本質的なDXを共に考える
システムありきではない、
その企業にとってベストな
経理DXの在り方を考えます。
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