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コラム

日銀政策委員会に見る企業ガバナンスの問題

 日本銀行の総裁が白川氏から元財務官の黒田氏に代わり、日銀の政策スタンスは非常に大きく変わりました。日銀の金融政策は政策委員会の合議で決まり、政策委員会は総裁1人、副総裁2人、審議委員6人の計9人で構成されます。メンバーで入れ替わったのは総裁と副総裁だけで、審議委員の6人は変わっていません。非常にドラスティックな政策変更であったにもかかわらず、政策委員会の満場一致で今回の決定がなされたことに違和感を持つ人が多いようであり、そういう報道もあちこちで見受けられます。

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プロダクトイノベーションとプロセスイノベーション

 経済の発展を支えるのはイノベーション(技術革新)です。イノベーションがないまま、以前と同じ生産形態で同じ製品を作っていたのでは、一人当たりの生産性は変わりません。人口が増加するなら、生産性が変わらなくても、GDP(国内総生産)を増加させることは可能ですが、これから人口が減少する日本でGDPを増やすには、イノベーションが不可欠です。ただ、イノベーションさえあればGDPが必ず拡大するかというと、そうとは言えなのが悩ましいところです。なぜなら、イノベーションにはプロダクトイノベーションとプロセスイノベーションの2種類があるからです。

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含み損を実現損に

経営を考える上でキャッシュフローは重要です。キャッシュフローを増加させるには、キャッシュインを増やすかキャッシュアウトを減らすしかありません。キャッシュインを増やすには、銀行や取引先などの外部の取引先との交渉が大きなウェートを占め、そう簡単にはできません。一方、キャッシュアウトの減少は自社内だけでできるものが多く、決断次第で即効性が期待できます。その一つの方策に税金の圧縮があります。

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ネットが実現する完全競争市場

 最近、ネットを利用した商品販売が急増しています。ネットで商品を購入するのはリアルな店舗に行く必要がない上に、多くのサイトを見比べた上で最も有利な商品を選択できるのですから、消費者にとっての利便性は格段に向上します。では、商品を販売する企業にはどのような影響を与えているのでしょう。値付けの面からそのインパクトを考えてみましょう。
 ネットの普及はモノの価格の決定方法を根本的に変革しており、企業は従来とは違う激烈な価格競争に巻き込まれているのだということを自覚しなければなりません。

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インフレに対応して財務戦略を変えるべきだろうか?

安倍政権の登場により、外国為替市場は円安に振れ、株式市場も活況を呈しています。安倍政権の経済政策(「アベノミクス」と呼ばれています)の最大の眼目は「デフレ経済からの脱却」です。安倍政権の目論見通り、これまでのデフレがインフレに転換できたとして(私はそう簡単に転換できるとは思いませんが)、それに応じて企業は財務戦略を変えるべきなのか、考えてみましょう。

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スマイルカーブ

最近、ビジネスにおける儲け方を説明する際に、「スマイルカーブ」という言葉を使うのをよく見かけます。人間は笑うと、口の両端が上がります。その笑った時の口の姿がスマイルカーブ(下図)です。左から右に時間は流れ、底から線までの高さが利益率を表しています。
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世代間対立を招く確定給付型企業年金

AIJの年金詐欺事件を契機に、企業年金基金をどうするかが大きな社会問題になっています。企業年金基金は公的年金とは別に、企業が退職した従業員に支給する年金の一種ですが、長引く不況の中で、確定給付型企業年金そのものの存在意義が問われている状況です。

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再挑戦を困難にする社長個人保証

中小企業が銀行から融資を受けるとき、ほとんどの場合、銀行は「社長個人保証」を要求します。社長個人保証は我が国の中小企業融資では、ほぼ常識とされていますが、それで果たしていいのでしょうか。

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インフレはすべてを解決しない

「日本経済の低迷の元凶はデフレ(物価の下落)にある。そして、物価はマネーとモノとの相関関係で決まり、マネーをコントロールしているのは日銀なのだから、デフレ脱却のために日銀さえ適切な政策を取れば、日本経済は復活する」と主張する人たちがいます。果たして本当に日銀さえ正しい行動を取れば、日本経済は回復するのでしょうか。この理論には二つの論点があります。一つはそもそも日銀が物価をコントロールできるのかということ、もう一つはインフレにさえなればそれですべて解決できるのかということです。

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簿価利回りでなく時価利回り

 上場企業の財務諸表には投資用不動産の含み損益情報が開示されています。含み損益からどんなことを読み取れるのか考えてみましょう。
 含み損益は単に含み益が多ければ実質自己資本比率が高く経営が安泰、逆に含み損が多いと財務体質が脆弱で経営が危ない、ということを表現しているだけではありません。無論、こうした見方も必要ですが、これは経営が破綻したときに、債権者が自分の債権保全の有効性を測るため、貸借対照表だけに注目した見方です。経営者がゴーイング・コンサーン(継続企業)として会社を見るときは、含み損益を収益とも関連させながら立体的に見なければなりません。

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