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安全衛生
ハラスメント事件の公正・中立な調査方法
編集
長岡 志保
島田 浩平
2026/08/01
目次
はじめに
(1)調査体制の中立性確保
(2)プライバシー保護
(3)事実認定と処分判断の分離
(4)労災対応
(5)不適切な調査のリスク
はじめに
テレビドラマの撮影現場での俳優同士のハラスメント疑惑が大きく報道され、世間の注目を集めています。もし自社でハラスメント事件が起きたときに、どのように調査を進めればよいかについてポイントを解説します。
(1)調査体制の中立性確保
人員構成
関係性や性別によるバイアスを避けるため、当事者と利害関係のない者を選出しましょう。人事担当者に加え、社労士や弁護士などの外部専門家を交えることも有効です。
ヒアリングの手法
相談者・行為者・第三者への聴取は個別に、同じ質問項目・同じ姿勢で行い、「いつ・どこで・誰が・何をしたか」という客観的事実を感想や評価と分けて記録します。聴取内容は録音または詳細な記録として残します。安易な決めつけや誘導尋問を避けましょう。
客観的資料による裏付け
証言だけに頼らず、勤務記録、メールやチャットの履歴、入退室記録など客観的資料を可能な範囲で収集します。証言と資料に食い違いがある場合は、その差異自体を丁寧に検討します。
(2)プライバシー保護
相談内容・当事者名は調査担当者の必要最小限に限定して共有し、社内の別部署や無関係な同僚への漏洩を防ぎましょう。聴取記録やメール等の証拠資料は施錠管理・アクセス制限のうえ保管し、目的外利用を禁止します。相談者・行為者双方のプライバシーに配慮し、調査終了後の記録保存期間や廃棄ルールもあらかじめ定めておく必要があります。
また、安心できる相談環境整備のため、会社がプライバシーに配慮する旨を当事者に伝えましょう。
(3)事実認定と処分判断の分離
「何が起きたか」の事実認定と就業規則上の評価・処分判断は別工程として扱います。事実認定が曖昧なまま重い処分を下すと、処分の妥当性自体が後に争われかねません。
(4)労災対応
ハラスメントを受けた労働者から労災申請の希望があった場合、最も避けるべきは「うちのハラスメントではない」「大げさだ」といった態度で申請自体を妨げることです。労災申請は労働者の権利であり、会社が申請を拒否したり提出を遅らせたりする権限はありません。
ただし、労災申請にかかる書類作成や会社の証明には協力しつつも、必ずしも相談者の主張を全て認める必要はありません。事実確認は中立かつ客観的に行い、意見の食い違いがある場合はその旨を書類等に記載しましょう。状況によっては、労働者の同意を得たうえで、産業医と連携し、休業や配置転換など安全配慮の観点からの対応を並行して進めることも検討しましょう。
(5)不適切な調査のリスク
不適切なハラスメント調査は次のようなリスクにつながります。
調査規程・相談窓口体制の整備、外部調査への同席、労災対応時の書式整備など、貴社の実情に応じた支援が可能です。お気軽にご相談ください。
編集
長岡 志保
Shiho Nagaoka
特定社会保険労務士・第一種衛生管理者
編集
島田 浩平
Kohei Shimada
特定社会保険労務士・第一種衛生管理者
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