中小企業からグローバル企業まであらゆる経営課題に解決策を
2014/09/01
最近、キャッシュリッチな会社が増えています。キャッシュがたくさんあることは金持ちの象徴であり、「キャッシュが多ければそれでいいではないか、なんら文句をつけることではあるまい」といわれるかもしれません。個人であれば、自分で稼いだものをキャッシュとして貯め込むことに、誰も文句はつけられません。せいぜい「あいつはケチだ」とか「あいつの趣味は通帳の残高を見ることだ」といった陰口をたたくのが精一杯です。...
2014/08/01
経営者(取締役)は株主から委託を受けて、従業員を雇用して会社を経営します。経営者は、会社において株主と従業員の結節点に当たる存在といえます。経営者の立ち位置は株主と従業員の間にあることになりますが、その比重をどちらに置くかで経営は大きく変わります。
2014/07/01
週刊ダイヤモンド2014年5月3日、10日合併号の産業レポートは、「アマゾンの法人融資サービス」でした。私はこのレポートを読んで、少なからぬ衝撃を受けました。それは、あのアマゾンが融資を始めたからではなく、アマゾンが採用する融資方法がとても鮮烈だったからです。
2014/06/02
2014年4月19日号の『週刊東洋経済』に「本業喪失~富士フイルムに学ぶ勝ち残りの法則~」が特集されていました。この特集では経営者の決断の重要性が強調されています。経営者の迅速で果断な決断が富士フイルムを救ったことはいうまでもありません。ただ、経営者の決断の前に、現実を正しく見ることが必要になります。そこで、本稿では現実を直視することの重要性を考えて見ます。
2014/05/01
コンピュータ将棋と一線級のプロ棋士が対決する「第3回将棋電王戦」が行われました。前回はコンピュータの3勝1敗1分け、今回も4勝1敗でコンピュータの勝利に終わりました。少し前までは、将棋はチェスなどに比べて、成り駒や獲得駒の再使用など、駒の変化のバリエーションが多く、コンピュータがトッププロに勝つようになるのは相当先になるだろう、という意見が大勢でした。でも、コンピュータソフトの進歩はそうした予測...
2014/02/05
デフレではモノの値段が下がり、裏腹にカネの価値が上がります。モノの価格は年々下がるのですから、先に行けばいくほど同じモノを安い価格で手に入れることができます。だから、段々モノを買わなくなり、不況は深刻化します。それで益々モノの値段が下がりデフレは続くということになります。これがデフレスパイラルです。 デフレのままでは経済が活性化しないということで、何とかデフレからインフレに持っていこうとして、日...
2013/08/02
企業は利益(リターン)を上げることが目的です。ただ、利益は無リスクで獲得できるわけではありません。利益を追求すれば、リスクは必然的に付随します。だからといって、分不相応に過大なリスクを抱えれば、リスクが顕在化したときに経営危機に陥りますから、リスクは少ないに越したことはありません。経営者に求められるのはリスクを完全に排除することではなく、できるだけ多くのリターンを得るために、リスクを自分がコント...
2013/07/10
2013年6月2日付の日本経済新聞に「上場企業で実質無借金企業の割合が5割を超える」との報道がなされました。実質無借金とは、現預金と短期保有目的の有価証券を合計した手元資金が長短借入金などの有利子負債を超えている状態のことをいいます。手元資金の増加は貸借対照表の借方である資産における状況です。一方、貸借対照表の貸方は、負債は増えていないのですから、自己資本が増加しているはずです。つまり、自己資本比...
2013/06/17
取引銀行から課せられた必達目標である昨年度下期営業黒字達成は果たしたものの、家電大手シャープの苦境は続きます。本業は本当に回復するのか、9月に到来する2000億円の社債償還資金は大丈夫なのか、など問題は山積です。家電業界の雄として名をとどろかせていたシャープが、なぜこのような苦境に陥ってしまったのか。シャープは日本を代表する大手企業ですが、一般の会社でも参考となるシャープから学べる経営危機の教訓を...
2013/05/21
M&Aでは企業価値が重要になります。企業価値と似た言葉に株主価値という言葉があります。そこで今回は企業価値と株主価値の関係を考えてみます。
2013/04/17
日本銀行の総裁が白川氏から元財務官の黒田氏に代わり、日銀の政策スタンスは非常に大きく変わりました。日銀の金融政策は政策委員会の合議で決まり、政策委員会は総裁1人、副総裁2人、審議委員6人の計9人で構成されます。メンバーで入れ替わったのは総裁と副総裁だけで、審議委員の6人は変わっていません。非常にドラスティックな政策変更であったにもかかわらず、政策委員会の満場一致で今回の決定がなされたことに違和感...
2013/03/08
経営を考える上でキャッシュフローは重要です。キャッシュフローを増加させるには、キャッシュインを増やすかキャッシュアウトを減らすしかありません。キャッシュインを増やすには、銀行や取引先などの外部の取引先との交渉が大きなウェートを占め、そう簡単にはできません。一方、キャッシュアウトの減少は自社内だけでできるものが多く、決断次第で即効性が期待できます。その一つの方策に税金の圧縮があります。
2013/02/14
最近、ネットを利用した商品販売が急増しています。ネットで商品を購入するのはリアルな店舗に行く必要がない上に、多くのサイトを見比べた上で最も有利な商品を選択できるのですから、消費者にとっての利便性は格段に向上します。では、商品を販売する企業にはどのような影響を与えているのでしょう。値付けの面からそのインパクトを考えてみましょう。 ネットの普及はモノの価格の決定方法を根本的に変革しており、企業は従来...
2013/01/22
安倍政権の登場により、外国為替市場は円安に振れ、株式市場も活況を呈しています。安倍政権の経済政策(「アベノミクス」と呼ばれています)の最大の眼目は「デフレ経済からの脱却」です。安倍政権の目論見通り、これまでのデフレがインフレに転換できたとして(私はそう簡単に転換できるとは思いませんが)、それに応じて企業は財務戦略を変えるべきなのか、考えてみましょう。
2012/12/21
最近、ビジネスにおける儲け方を説明する際に、「スマイルカーブ」という言葉を使うのをよく見かけます。人間は笑うと、口の両端が上がります。その笑った時の口の姿がスマイルカーブ(下図)です。左から右に時間は流れ、底から線までの高さが利益率を表しています。キャプチャ.png
2012/11/09
中小企業が銀行から融資を受けるとき、ほとんどの場合、銀行は「社長個人保証」を要求します。社長個人保証は我が国の中小企業融資では、ほぼ常識とされていますが、それで果たしていいのでしょうか。
2012/07/27
デフレが止まりません。政府、日銀も懸命に手を尽くしているのですが、なかなか脱却できません。デフレは貨幣的現象であるから、貨幣をコントロールする権限を有する日銀さえ頑張れば、デフレから脱却できるという論者もいます。しかし、デフレが長期化している我が国の現状に加え、世界的に物価低下傾向が蔓延している状況を見るに、デフレは一国の金融政策でどうにかできるものではなく、長期化すると考えた方がいいと思います...