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2017/09/04
どのような会社でも目標設定は重要です。「良い会社にする」とか「社会的に意義のある会社になる」、というような長期的に実現しようとする理想的な目標も必要ですが、利益を追求しなければならない会社にあっては、数値目標は欠かせません。そして、数値目標はより実効性の高いものでなければなりません。最近、話題になった政府の目標設定の変更に、私はその実効性の観点から疑問を持つものがありました。
2017/08/01
長い間、株価は実体経済の好不調を測る分かりやすいバロメーターとされてきました。そのため、時の政府は株価対策に力を入れてきました。株価が高いということは、企業業績がよく、そこに働く人々の賃金は上昇し、企業が納める法人税や個人が納付する所得税等の税収も増え、その結果としてGDP(国内総生産)も増大する、というのがこれまでの一般的感覚でした。しかし、最近はやや様相を異にしてきているように見えます。政権...
2017/07/03
商工中金は不正融資を行っていたことで、監督官庁から業務改善命令を受けました。これから調査が進み、全容が解明されることが期待されますが、報道によれば組織的な疑いが濃いようですから、商工中金にとってはかなり深刻な事態が予想されます。問題になっている不正融資は、災害などで一時的に業績が悪化した企業に融資したり、利払い費を支援したりする「危機対応融資」に際し、決算書の売上高や利益を危機対応融資に該当する...
2017/06/02
最近、同業者間での業務提携の発表が相次いでいます。特に物流部門における提携が目立ちます。味の素、カゴメ、日清フーズ、ハウス食品グループ本社の食品メーカー4社は国内物流事業で提携しましたし、キリンビールとアサヒビールも共同輸送を拡大しています。
2017/05/01
経営計画は将来のために作成することはいうまでもありませんが、会計(現在の決算書)にも重大な影響を与えるようになってきていることに注意しなければなりません。 経営計画は自社の経営資源や実力を十分に踏まえた上で作成します。過去の実績と懸け離れた経営計画は絵に描いた餅です。その意味で現時点での決算書をベースに経営計画を作るという、過去から未来への道筋は分かりやすいのですが、近年注目されているのは経営計...
2017/04/03
東芝の混乱は続きます。かつては日本を代表する折り紙付きの優良企業であった東芝が果たして再建できるのか、あるいはこのまま衰退の道をたどってしまうのかは、当事者でなくても気になります。東芝の再建のポイントは何なのか考えてみましょう。
2017/03/01
東芝の原発事業に関する減損損失の記事が連日新聞紙上を賑わせています。その損失規模は数千億円に達し、金額次第では債務超過の危険性もあると言われています。債務超過になると、金融機関による支援が難しくなりますから、東芝は虎の子の半導体事業の一部売却など解体的出直しが迫られている状況です。 東芝に限らず、期末に近づくと、「減損損失」の記事が目に付くようになります。減損損失は、東芝では当然のことながら将来...
2017/02/01
同じ物事でも視点をどこに置くかで見え方が変わります。たとえば、過去に大きな功績をあげた老人は過去の実績に焦点を当てれば偉大な人間として記録されますが、これから何ができるかという将来の可能性から見れば、活躍残余年数の短さが災いし低い評価しか付けられません。逆に、今までの実績は見るべきものがない若者でも潜在能力の高さに注目すれば、高く評価できます。視点の機軸を過去にするか将来にするかで、映る姿は違っ...
2017/01/05
個人消費がなかなか盛り上がりません。個人消費はGDP(国民総生産)の大よそ6割を占めますから、個人消費が活性化しなければ、GDPも増えません。そこで、政府は個人消費を増やすべく様々な対策を打っています。その大きな柱はマクロ経済対策としてのデフレからの脱却とミクロ面からの賃上げ要請です。
2016/12/01
小池百合子東京都知事の誕生で、豊洲への市場移転問題がにわかに騒がしくなってきました。これを政治的に読み解くのは、とても私の手に余りますが、投資の意思決定の問題として会計、ファイナンス論の見地から考えるのは経営的に意味のあることだと思います。
2016/11/01
誰しもがいつも期待通りの結果が残せるわけではなく、やむをえず不本意な結果に終わることがあります。ビジネスではそうしたとき、不本意な結果をどのように反省し、次に活かすかが重要です。先般の日銀の「総括的検証」はその面から言うと不十分であったと言わざるを得ません。 日銀と一般会社では目的や結果責任の取り方などに大きな違いがありますが、成績が残せなかったときの総括の仕方として、普通の会社でも参考になる点...
2016/10/03
銀行は預金者から預金を預かり、資金を必要とする人(主として企業)に貸し付けることが本業です。そこから、銀行には二つの役割があることが分かります。一つは預金者から預かった預金を利息を付けて確実に預金者に返還する預金者保護であり、もう一つは資金を貸し付けた企業を成長させる地域産業の育成です。そのどちらに重点を置くかで、銀行の融資姿勢は異なってきます。これまでは、どちらかというと、預金者保護に重点が置...
2016/09/01
日本の経済状況は為替動向に大きく左右されます。円安は輸出型大企業に有利であり、東証の主要銘柄はこうした大企業が主力ですから、円安は株価上昇につながります。円高は逆ルートをたどり、株価の下落を招きますから、国内には「円安歓迎、円高敬遠」の空気が蔓延します。 確かに企業目線からは円高は好ましくないというのは分かりますが、消費者目線からは違った風景が見えるはずです。円が高いということは自国通貨が評価さ...
2016/08/01
東証の指導もあり、上場企業で社外取締役が増加しています。これまで日本企業の取締役は社内の生え抜きがほとんどで、意思決定が内向きになり過ぎると、かねて批判されていました。そこで、社外取締役の数を増やし、取締役会に社外の多様な意見を反映させようというのです。 既に導入済みだった一部の先進的大会社を除き、日本の大部分の会社の社外取締役は会社内部の必然性からではなく、外部からの強制によって生まれたもので...
2016/07/01
熊本地震では多くの住宅が倒壊しました。地震などの大災害で住宅が毀損すると二重ローンの問題が浮上します。二重ローンとは住宅ローンで建てた家が地震で壊れてしまい、そのローンが残っているにもかかわらず新住宅建設のために新たにローンを借りなければならない状態を言います。地震にかかる二重ローンを回避するためには、借入者は地震保険を掛ければいいのですが、地震保険は保険料が高く、それほど普及していないのが現状だ...
2016/06/01
最近、一般人のすき間を活用するビジネスが注目を集めています。いずれもアメリカが発祥ですがUber、AirBnBなどが代表的なものです。 Uberは一口で言ってしまえば、タクシーのネット配車ですが、普通のタクシーに加え、一般人が自家用車を空き時間に利用できるようにしているところが特徴です。AirBnBは「民泊」と訳されるようですが、ホテルや旅館ではない一般の住宅を宿泊施設として利用するものです...
2016/05/02
日銀が実施しているマイナス金利が注目されています。その影響は金融市場と実体経済に及びます。金融市場に対しては金利をマイナスにすることで円の魅力を薄くして円安に誘導し、株価を上昇させるという意図があったようですが、これまでのところ日銀の思惑通りに市場は反応しているとはいえない状況です。どう動くにしろ、日銀の金融政策は金融市場に大きな影響を与えることは間違いありません。というのは、市場関係者はどん...
2016/04/01
日銀が実施したマイナス金利が注目を集めていますが、マイナス金利は経済だけでなく、会計方面にも大きな影響を与えます。というのは、会計やファイナンス理論で重要となる将来キャッシュフローの現在価値の計算に際し使用する割引率は、国債等の運用利回りをベースにするからです。
2016/03/01
日本の企業は内部留保をためすぎ、資金を積極的に投資や賃金の増加に振り向けないから、日本経済は低成長にとどまるのだと批判されます。経済の好循環を持続させるためには、企業の積極的投資増や賃金増加が不可欠だとして、政府側から経済団体に異例の働きかけが行われています。しかし、内部留保が多いから、投資を増やせるだろうという議論の展開には違和感を覚えます。
2016/02/01
昨年は東芝の不適切会計、VWの排ガス規制問題など企業不祥事が相次いだ年でした。事件を起こした東芝やVWは、その国の名門企業と言われていた会社だけに大きな衝撃を与えました。それと同時に我が国では、上場企業のガバナンス(統治)体制の改革も大きなテーマでした。取締役の大多数が社内出身者であることが、不祥事発生の一因になっているのではないかというのです。一般株主、あるいは社会からの視点を会社の意思決定...