中小企業からグローバル企業まであらゆる経営課題に解決策を
2013/12/03
アベノミクスの中心は何といっても金融緩和政策です。金融緩和政策の中核には日銀がいますが、日銀だけでは金融政策は完結しません。金融政策が機能するには銀行が有効に働かなくてはなりません。
2013/11/01
シャープが1000億円以上の公募増資及び第三者割当増資を実施しました。業績不振に悩んできたシャープが巨額の増資を行うのですから、ビッグニュースですが、報道のポイントの置き方にはやや違和感を覚えます。というのは、増資により前期末6%台に落ち込んだ自己資本比率が大きく向上し、財務の安全性が増すというコメントが多いからです。シャープのように苦境に陥った会社はこうした側面が重要なのは確かですが、その点ばか...
2013/10/01
先般、NHKで「"新富裕層"VS国家~富を巡る攻防~」という番組が放映されました。その中で、今の富裕層は少しでも税率の低いところに移住したいと考えていて、アメリカではプエルトリコ、アジアではシンガポールが移住先の例として紹介されていました。プエルトリコに移住したアメリカ人は次のように言っていました。「いくら稼ぐかは問題ではない。どれだけ多く残せるかが問題なのだ。だから税率の低いプエルトリコに移住...
2013/09/03
最近、リバースモーゲージが注目されています。リバースモーゲージとは、主として他に収入のない高齢者が自宅を担保に今後の生活資金を借りるローンです。借入人が生きている間は借入のみが発生して返済は行われません。返済は借入人が死亡してから、融資の対象となった住宅を処分した代金により行われます。医療の発達により平均寿命は伸びるのに、国家の財政難から年金水準の切り下げが予想される時代ですから、十分な貯蓄を持た...
2013/08/02
企業は利益(リターン)を上げることが目的です。ただ、利益は無リスクで獲得できるわけではありません。利益を追求すれば、リスクは必然的に付随します。だからといって、分不相応に過大なリスクを抱えれば、リスクが顕在化したときに経営危機に陥りますから、リスクは少ないに越したことはありません。経営者に求められるのはリスクを完全に排除することではなく、できるだけ多くのリターンを得るために、リスクを自分がコント...
2013/07/10
2013年6月2日付の日本経済新聞に「上場企業で実質無借金企業の割合が5割を超える」との報道がなされました。実質無借金とは、現預金と短期保有目的の有価証券を合計した手元資金が長短借入金などの有利子負債を超えている状態のことをいいます。手元資金の増加は貸借対照表の借方である資産における状況です。一方、貸借対照表の貸方は、負債は増えていないのですから、自己資本が増加しているはずです。つまり、自己資本比...
2013/06/17
取引銀行から課せられた必達目標である昨年度下期営業黒字達成は果たしたものの、家電大手シャープの苦境は続きます。本業は本当に回復するのか、9月に到来する2000億円の社債償還資金は大丈夫なのか、など問題は山積です。家電業界の雄として名をとどろかせていたシャープが、なぜこのような苦境に陥ってしまったのか。シャープは日本を代表する大手企業ですが、一般の会社でも参考となるシャープから学べる経営危機の教訓を...
2013/05/21
M&Aでは企業価値が重要になります。企業価値と似た言葉に株主価値という言葉があります。そこで今回は企業価値と株主価値の関係を考えてみます。
2013/04/17
日本銀行の総裁が白川氏から元財務官の黒田氏に代わり、日銀の政策スタンスは非常に大きく変わりました。日銀の金融政策は政策委員会の合議で決まり、政策委員会は総裁1人、副総裁2人、審議委員6人の計9人で構成されます。メンバーで入れ替わったのは総裁と副総裁だけで、審議委員の6人は変わっていません。非常にドラスティックな政策変更であったにもかかわらず、政策委員会の満場一致で今回の決定がなされたことに違和感...
2013/04/01
経済の発展を支えるのはイノベーション(技術革新)です。イノベーションがないまま、以前と同じ生産形態で同じ製品を作っていたのでは、一人当たりの生産性は変わりません。人口が増加するなら、生産性が変わらなくても、GDP(国内総生産)を増加させることは可能ですが、これから人口が減少する日本でGDPを増やすには、イノベーションが不可欠です。ただ、イノベーションさえあればGDPが必ず拡大するかというと、そう...
2013/03/08
経営を考える上でキャッシュフローは重要です。キャッシュフローを増加させるには、キャッシュインを増やすかキャッシュアウトを減らすしかありません。キャッシュインを増やすには、銀行や取引先などの外部の取引先との交渉が大きなウェートを占め、そう簡単にはできません。一方、キャッシュアウトの減少は自社内だけでできるものが多く、決断次第で即効性が期待できます。その一つの方策に税金の圧縮があります。
2013/02/14
最近、ネットを利用した商品販売が急増しています。ネットで商品を購入するのはリアルな店舗に行く必要がない上に、多くのサイトを見比べた上で最も有利な商品を選択できるのですから、消費者にとっての利便性は格段に向上します。では、商品を販売する企業にはどのような影響を与えているのでしょう。値付けの面からそのインパクトを考えてみましょう。 ネットの普及はモノの価格の決定方法を根本的に変革しており、企業は従来...
2013/01/22
安倍政権の登場により、外国為替市場は円安に振れ、株式市場も活況を呈しています。安倍政権の経済政策(「アベノミクス」と呼ばれています)の最大の眼目は「デフレ経済からの脱却」です。安倍政権の目論見通り、これまでのデフレがインフレに転換できたとして(私はそう簡単に転換できるとは思いませんが)、それに応じて企業は財務戦略を変えるべきなのか、考えてみましょう。
2012/12/21
最近、ビジネスにおける儲け方を説明する際に、「スマイルカーブ」という言葉を使うのをよく見かけます。人間は笑うと、口の両端が上がります。その笑った時の口の姿がスマイルカーブ(下図)です。左から右に時間は流れ、底から線までの高さが利益率を表しています。キャプチャ.png
2012/11/29
AIJの年金詐欺事件を契機に、企業年金基金をどうするかが大きな社会問題になっています。企業年金基金は公的年金とは別に、企業が退職した従業員に支給する年金の一種ですが、長引く不況の中で、確定給付型企業年金そのものの存在意義が問われている状況です。
2012/11/09
中小企業が銀行から融資を受けるとき、ほとんどの場合、銀行は「社長個人保証」を要求します。社長個人保証は我が国の中小企業融資では、ほぼ常識とされていますが、それで果たしていいのでしょうか。
2012/10/17
「日本経済の低迷の元凶はデフレ(物価の下落)にある。そして、物価はマネーとモノとの相関関係で決まり、マネーをコントロールしているのは日銀なのだから、デフレ脱却のために日銀さえ適切な政策を取れば、日本経済は復活する」と主張する人たちがいます。果たして本当に日銀さえ正しい行動を取れば、日本経済は回復するのでしょうか。この理論には二つの論点があります。一つはそもそも日銀が物価をコントロールできるのかとい...
2012/10/01
上場企業の財務諸表には投資用不動産の含み損益情報が開示されています。含み損益からどんなことを読み取れるのか考えてみましょう。 含み損益は単に含み益が多ければ実質自己資本比率が高く経営が安泰、逆に含み損が多いと財務体質が脆弱で経営が危ない、ということを表現しているだけではありません。無論、こうした見方も必要ですが、これは経営が破綻したときに、債権者が自分の債権保全の有効性を測るため、貸借対照表だけ...
2012/09/26
「レバレッジ経営」という言葉を以前はよく耳にしましたが、最近は余り聞かれなくなりました。レバレッジ経営が流行らなくなったのは時代の変化が色濃く反映しています。まず、レバレッジとは何かということから説明します。
2012/08/23
基本に立ち返って恐縮ですが、決算書は経営者にとってどんな意味があるのか考えてみましょう。 決算書の作成目的は大きく二つに分けられます。一つは経営者が自分の会社の経営状況を正確に把握するためのものであり、もう一つは会社外部の株主、債権者などの利害関係者に対して会社の財務状況を説明するためのものです。会社の内容を正しく知ることは、会社が成長、発展するための基礎ですから、経営者は前向きにとらえることが...