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2014/11/04
日本の会社は現金預金を貯めすぎると言われています。日銀が発表した資金循環統計によると、企業が保有する現預金の14年3月末の残高は232兆円と過去最高を更新しました。会社が眠らせている現金預金を積極的に投資に使うか、あるいは株主に還元すれば、日本経済は活性化するというのです。 現在、預金利率はほとんどゼロで、現預金を積み増すことの収益的メリットはありません。会社内で成長のための投資に回せない現...
2014/10/01
全国銀行協会と日本商工会議所などが、強制力のない自主ルールとして「経営者保証に関するガイドライン」を本年2月に策定しました。このガイドラインは銀行借入に付随する経営者(社長)個人保証の解除を目的としたものですが、我が国で長い間慣習として定着してきた観のある社長個人保証が減少していくのか注目されます。
2014/09/01
最近、キャッシュリッチな会社が増えています。キャッシュがたくさんあることは金持ちの象徴であり、「キャッシュが多ければそれでいいではないか、なんら文句をつけることではあるまい」といわれるかもしれません。個人であれば、自分で稼いだものをキャッシュとして貯め込むことに、誰も文句はつけられません。せいぜい「あいつはケチだ」とか「あいつの趣味は通帳の残高を見ることだ」といった陰口をたたくのが精一杯です。...
2014/08/01
経営者(取締役)は株主から委託を受けて、従業員を雇用して会社を経営します。経営者は、会社において株主と従業員の結節点に当たる存在といえます。経営者の立ち位置は株主と従業員の間にあることになりますが、その比重をどちらに置くかで経営は大きく変わります。
2014/07/01
週刊ダイヤモンド2014年5月3日、10日合併号の産業レポートは、「アマゾンの法人融資サービス」でした。私はこのレポートを読んで、少なからぬ衝撃を受けました。それは、あのアマゾンが融資を始めたからではなく、アマゾンが採用する融資方法がとても鮮烈だったからです。
2014/06/02
2014年4月19日号の『週刊東洋経済』に「本業喪失~富士フイルムに学ぶ勝ち残りの法則~」が特集されていました。この特集では経営者の決断の重要性が強調されています。経営者の迅速で果断な決断が富士フイルムを救ったことはいうまでもありません。ただ、経営者の決断の前に、現実を正しく見ることが必要になります。そこで、本稿では現実を直視することの重要性を考えて見ます。
2014/05/01
コンピュータ将棋と一線級のプロ棋士が対決する「第3回将棋電王戦」が行われました。前回はコンピュータの3勝1敗1分け、今回も4勝1敗でコンピュータの勝利に終わりました。少し前までは、将棋はチェスなどに比べて、成り駒や獲得駒の再使用など、駒の変化のバリエーションが多く、コンピュータがトッププロに勝つようになるのは相当先になるだろう、という意見が大勢でした。でも、コンピュータソフトの進歩はそうした予測...
2014/04/01
アベノミクス効果で、物価が上昇し企業収益が好転したとしても、個人の収入が変わらなければ、個人にとっては物価上昇分だけ実質可処分所得が減少し、経済は持続的に拡大しません。しかも、持続的拡大のためには個人の収入増加は一時金ではなく、恒常的な収入増加をもたらす定期給与のアップが望ましい、ということになります。そこで、企業にベースアップ(ベア)を期待するという異例の要望が政府から出されました。ベアをする...
2014/03/03
2014年1月27日の日本経済新聞に、企業がM&A(合併、買収)をやりやすくするためにのれん償却を不要とすべく、会計基準を改正するように検討に入った、という記事が掲載されていました。今回は、のれん償却方法の違いとその背景にある企業文化との関係について考えてみます。
2014/02/05
デフレではモノの値段が下がり、裏腹にカネの価値が上がります。モノの価格は年々下がるのですから、先に行けばいくほど同じモノを安い価格で手に入れることができます。だから、段々モノを買わなくなり、不況は深刻化します。それで益々モノの値段が下がりデフレは続くということになります。これがデフレスパイラルです。 デフレのままでは経済が活性化しないということで、何とかデフレからインフレに持っていこうとして、日...
2014/01/06
預かっている巨額な年金資金を使い込み、海外に逃亡していた長野県建設業厚生年金基金の事務長が逮捕されました。刑事責任の追及はこれからですが、どんなに追及したところで、戻ってくる資金はほとんどありませんし、さらに悪いことに、同基金はAIJ投資顧問の年金資産消失事件にも関係していましたから、その積立不足は深刻であり、今後の動向が注目されます。今回は厚生年金基金処理の問題を決算書の表示の面から考えてみます...
2013/12/03
アベノミクスの中心は何といっても金融緩和政策です。金融緩和政策の中核には日銀がいますが、日銀だけでは金融政策は完結しません。金融政策が機能するには銀行が有効に働かなくてはなりません。
2013/11/01
シャープが1000億円以上の公募増資及び第三者割当増資を実施しました。業績不振に悩んできたシャープが巨額の増資を行うのですから、ビッグニュースですが、報道のポイントの置き方にはやや違和感を覚えます。というのは、増資により前期末6%台に落ち込んだ自己資本比率が大きく向上し、財務の安全性が増すというコメントが多いからです。シャープのように苦境に陥った会社はこうした側面が重要なのは確かですが、その点ばか...
2013/10/01
先般、NHKで「"新富裕層"VS国家~富を巡る攻防~」という番組が放映されました。その中で、今の富裕層は少しでも税率の低いところに移住したいと考えていて、アメリカではプエルトリコ、アジアではシンガポールが移住先の例として紹介されていました。プエルトリコに移住したアメリカ人は次のように言っていました。「いくら稼ぐかは問題ではない。どれだけ多く残せるかが問題なのだ。だから税率の低いプエルトリコに移住...
2013/09/03
最近、リバースモーゲージが注目されています。リバースモーゲージとは、主として他に収入のない高齢者が自宅を担保に今後の生活資金を借りるローンです。借入人が生きている間は借入のみが発生して返済は行われません。返済は借入人が死亡してから、融資の対象となった住宅を処分した代金により行われます。医療の発達により平均寿命は伸びるのに、国家の財政難から年金水準の切り下げが予想される時代ですから、十分な貯蓄を持た...
2013/08/02
企業は利益(リターン)を上げることが目的です。ただ、利益は無リスクで獲得できるわけではありません。利益を追求すれば、リスクは必然的に付随します。だからといって、分不相応に過大なリスクを抱えれば、リスクが顕在化したときに経営危機に陥りますから、リスクは少ないに越したことはありません。経営者に求められるのはリスクを完全に排除することではなく、できるだけ多くのリターンを得るために、リスクを自分がコント...
2013/07/10
2013年6月2日付の日本経済新聞に「上場企業で実質無借金企業の割合が5割を超える」との報道がなされました。実質無借金とは、現預金と短期保有目的の有価証券を合計した手元資金が長短借入金などの有利子負債を超えている状態のことをいいます。手元資金の増加は貸借対照表の借方である資産における状況です。一方、貸借対照表の貸方は、負債は増えていないのですから、自己資本が増加しているはずです。つまり、自己資本比...
2013/06/17
取引銀行から課せられた必達目標である昨年度下期営業黒字達成は果たしたものの、家電大手シャープの苦境は続きます。本業は本当に回復するのか、9月に到来する2000億円の社債償還資金は大丈夫なのか、など問題は山積です。家電業界の雄として名をとどろかせていたシャープが、なぜこのような苦境に陥ってしまったのか。シャープは日本を代表する大手企業ですが、一般の会社でも参考となるシャープから学べる経営危機の教訓を...
2013/05/21
M&Aでは企業価値が重要になります。企業価値と似た言葉に株主価値という言葉があります。そこで今回は企業価値と株主価値の関係を考えてみます。
2013/04/17
日本銀行の総裁が白川氏から元財務官の黒田氏に代わり、日銀の政策スタンスは非常に大きく変わりました。日銀の金融政策は政策委員会の合議で決まり、政策委員会は総裁1人、副総裁2人、審議委員6人の計9人で構成されます。メンバーで入れ替わったのは総裁と副総裁だけで、審議委員の6人は変わっていません。非常にドラスティックな政策変更であったにもかかわらず、政策委員会の満場一致で今回の決定がなされたことに違和感...