中小企業からグローバル企業まであらゆる経営課題に解決策を
2020/08/03
新型コロナウイルスの蔓延により、戦後最大級といわれる経済停滞に陥っています。その結果、国内外の需要と供給が低迷し、必然的に企業業績の悪化を招来しています。事業そのものの業績不振による損益悪化はやむをえないのですが、現在の会計基準では本業の収益低下が連鎖的に会計上の損失を膨らませ、結果的に大きな最終損失を招くことに注意しなければなりません。その代表的な事例が減損会計と税効果会計です。
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公認会計士井口秀昭のウェブコラム
2020/07/01
注目される経営指標はいつも同じではなく、安定している時と危機の時では視点が異なります。現在はコロナ禍に伴う戦後最大級の危機ですから、危機乗り切りの視点からの経営指標にスポットが当たります。
2020/06/01
新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の停滞は深刻です。ユニクロを運営するファーストリテイリングの柳井正社長は「戦後最大の人類の危機」とその深刻さを強調しました(2020年5月25日付日本経済新聞)。 売上半減どころか、8割、9割減の企業も珍しくないような状況です。通常の売上のほとんどが失われれば、企業は資金繰りに窮し、存亡の淵に立たされます。そうした企業において、焦点があたるのは当面の支払い...
2020/05/01
新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が出されました。その結果、経済活動が極端に抑制され、存亡のふちに立たされる企業が多くなっています。そんなとき頼りになるのはキャッシュです。 近年の日本企業は、内部留保により蓄積されたキャッシュの使い方が課題だといわれていました。内部留保は、株主が自分のカネを投じた払込資本と会社が事業で稼ぎ出す利益剰余金から構成されます。ただ、内部留保という時、一般的...
2020/04/01
新型コロナウイルスの影響は日々深刻化しています。経済活動へのインパクトも無視できないものになってきています。企業経営でも平常時モードから非常時モードへの切り替えが必要ではないかと思います。
2020/03/02
上場企業の役員報酬と従業員の賃金格差が拡大しています(2020年1月25日付日本経済新聞)。2018年度の有価証券報告書を分析したところによれば、賃金格差は4.2倍となり、前年度比0.1ポイント増加し、4年連続の拡大となったそうです。 消費低迷の主因は労働者の賃金が伸びないことにあると言われている中で、賃金格差が拡大しているのですから、役員報酬は増大していることになります。なぜ、一般従業員の賃金...
2020/02/03
金融庁が金融検査マニュアルを廃止することに対し地方銀行が困惑している、との報道がありました(2019年12月5日付け日本経済新聞)。というのは、これまで銀行の利益に大きな影響を与える貸倒引当金の設定は金融検査マニュアルに基づいて行われているのに、その基準となる金融検査マニュアルが廃止されてしまうと、引当金の設定の指針がなくなってしまい判断が難しくなるからだというのです。金融庁の狙いとしては、金融...
2020/01/06
スルガ銀行の不正融資問題が決着に向けて動き出したようです。その決着の方法は我が国の金融業界におけるローンのあり方に一石を投じているにように思います。
2019/12/03
日銀が進めているマイナス金利政策が民間銀行を苦しめています。だからといって、日銀はマイナス金利政策を止める様子はなく、場合によってはその深堀もあり得るとアナウンスしています。 マイナス金利政策による収益悪化の対応措置の一環として、民間銀行は預金口座に口座維持手数料をかけるのでないか、という話がささやかれるようになっています。実際、預金者に口座維持手数料を負担させるまでにはかなり高いハードルがある...
2019/11/01
関西電力の会長、社長をはじめとした会社幹部が原子力発電所の立地自治体の元助役から多額の金品を受領していたことには、本当にあきれてしまいました。多い人は1億円を超えた金額を受領していたというのですから、関西電力役員陣の倫理観の欠如には驚くほかありません。 この金品の受け取りが犯罪にあたるかどうかは分かりませんが、ある特定の人物から多額の金品を受け取っていた(しかもその原資が原発関連マネーだとすれば...
2019/10/21
10月から消費税率がアップしますが、税率アップに伴い生じると予想される消費低迷に備えて、政府は様々な消費喚起策を用意しました。果たして、こうした施策が政府の思惑通り消費を喚起するのかが注目されますが、私は消費の盛り上がりは期待できないのではないかと思っています。一般的には、実質賃金が上がらないとか、年金が不安だとかいった経済的要因に焦点が当たると思いますが、私がここで注目したいのは、消費を喚起す...
2019/09/02
企業の使命は利益をあげることです。利益は収益(売上)から費用を引いて算定されますから、利益を出すためには売上を増やすか、費用を削減するかしかありません。 経営者が第一に考えるべきは、いうまでもなく売上の増加です。取扱商品の付加価値を増やしたり、営業力を強化して売上の拡大に邁進します。 しかし、人口減少と将来不安による心理要因で国内需要の低迷は紛れもない事実です。大企業であれば海外進出も有力な選択...
2019/08/01
企業のガバナンス強化の柱の一つとして、社外取締役の人数の増加が注目を集めています。日本では従来、生え抜きの社員から昇進した社内取締役だけで取締役会を構成することが多かったことから、個々の取締役がトップである社長や会長の意向に逆らうことが難しく、議論が内向きになり、発展性に欠けると同時に、社会的公正さを逸脱するケースが散見されました。そこで、そうした弊害を除去するために、上場企業ではここ数年来、取...
2019/07/01
「黒字倒産」という言葉がありますが、常識的に考えると違和感がある言葉です。儲かっている会社は倒産しないはずですから、"黒字"と"倒産"は本来両立する言葉ではないように思うからです。"黒字"か"倒産"のどちらかが間違いなのかもしれません。
2019/06/03
日産自動車のゴーン元会長の逮捕は、大企業にとどまらず中小企業においても、会社のガバナンスを考え直すいい機会にすべきだと思います。ゴーン元会長の行為が犯罪にあたるかどうかは、これから司法の場で決することであり、ここで論評するつもりはありません。ただ、ゴーン元会長に、法律的にはともかく、経営者として倫理観に欠ける行為があったことは間違いないようです。経営トップの倫理観に疑念が生じたとき、会社のガバナ...
2019/05/07
みずほフィナンシャルグループが2019年3月期の決算で、6800億円の減損処理を行うことを発表しました。その内訳はシステム投資や店舗に関わるものが主力なようですが、ここで注目したいのは店舗の減損です。というのは、店舗は銀行の強さの象徴だったからです。
2019/04/01
法人企業統計によると、2017年度の企業(金融・保険業を除く全産業)の利益剰余金、いわゆる内部留保は446兆円で、内部留保を 中核にした自己資本比率は41.7%と過去最高に積み上がっています。内部留保は貸借対照表の貸方の話ですが、それに対応する借方には現金が222兆円と、これもまた過去最高の水準にあります。 資金の用途として最も望ましいのは、将来の成長のための設備投資です。しかし、少子高齢化で人...
2019/03/01
結果にコミットする」のコマーシャルで有名なライザップが、業績の下方修正に追い込まれ、事業の再編を進めています。 ライザップは業績拡大のために企業買収を積極的に進めていましたが、決算において企業買収によって生じた「負ののれん」の会計処理が注目されました。そこで、負ののれんによって生じる利益とは何なのか、考えてみます。
2019/02/01
予定どおり10月に消費増税があると、消費の落ち込みが予想されます。そのため、消費を盛り上げようとして、様々な経済対策が実行されようとしています。クレジットカード利用に伴うポイント還元、プレミアム商品券の交付、あるいは車や住宅などの購入を対象とした各種の減税も用意されています。こうした対策により消費を喚起しようというのが政府の狙いなのですが、それに対して我々消費者はどのように対応すべきなのでしょう...
2019/01/07
経済誌は日産のゴーン前会長の記事でもちきりです。昨日まで日産の業績をV字回復させた救世主としてもてはやされていただけに、そのカリスマ経営者が一夜にして被告人に転落するのですから、世間の注目を浴びるのも無理もありません。 個人的には、正式な組織決定を経ていない、キャッシュの支払いを退職後に持ち越された金額の不記載が、直接の逮捕容疑である有価証券報告書の虚偽記載に該当するのかということに疑念を持って...