東京・長野・金沢を結ぶエリアを中心に、税務・会計・人事・労務・M&Aをトータルサポート
2022/07/20
株式会社京セラ名誉会長の稲盛和夫氏が、1998年に出版された『稲盛和夫の実学』(日本経済新聞社刊)に、「売上を最大に、経費を最小に」という項があります。 稲盛氏には知名度の高い経営語録が多数存在しますが、その中でも特に有名な言葉の一つです。 この「売上を最大に、経費を最小に」という言葉を、私は独自の解釈をして経営者の皆様にお話をしています。 時間をさかのぼります。 2008年のリーマンショック...
メルマガ
経営KEYWORD
2022/07/01
報道によれば、円安効果もあり、上場企業の業績は悪くないようです。しかし、その割には、我々国民の所得が増加しているようには思えず、国民レベルの不況感は一向に拭えません。日銀をはじめとした政策当局は、円安は企業業績に好影響を与えることで、国民にとっても好ましいものになるはずだと言っています。 円安が輸出型企業の業績に貢献することは間違いありませんが、その貢献の仕方が以前とは様相を異にしていることに留...
公認会計士井口秀昭のウェブコラム
2022/06/17
内部統制の定義において世界的に有名なものはトレッドウェイ委員会支援組織委員会(Committee of Sponsoring Organizations of the Tredway Commission:COSO)による定義で、「内部統制とは、事業体の取締役会、経営者およびその他の構成員によって実行され、業務、報告およびコンプライアンスに関連する目的の達成に関して合理的な保証を提供するために整備...
2022/06/06
近時、円安が急速に進展し、20年ぶりに1ドル130円を超え、大きな話題となっています。世界的にインフレ傾向にあることから、アメリカはじめ諸外国は金融緩和から金融引き締めに転じつつありますが、日本ではインフレ率が欧米ほどではないことや不景気感がまだ根強いことから、日銀は依然として低金利の金融緩和政策の維持を続ける姿勢です。他の条件に変動がなければ、通貨の需要は金利の高い方に集まりますから、さらに円...
2022/05/20
仕事の基本である「報連相(報告・連絡・相談)」のひとつに「相談」があります。ビジネスパーソンにとっては当たり前のように必要とされるスキルであるが故に、一旦身に付けてしまえば、普段それほど意識していない方もいらっしゃるのではないでしょうか。私自身、ふとしたきっかけで「相談」することがとても苦手になっていることに気づきました。何かを判断するときに自分だけで決めることに慣れてしまい、それによって判断を...
2022/05/02
利益は、いうまでもなく販売価格からコストを控除して算定されます。その利益が常に十分に安定的にあればいいのですが、それはそう簡単なことではありません。一般に想定されるよりも多く発生する利益を、経済学的にはレント(超過利潤)といいますが、レントがあれば新規参入が続き、販売価格が低下し、いずれレントはなくなるとされています。 競合企業の参入により、販売価格が低下し、十分な利益が確保できなくなってきたと...
2022/05/01
経営トピックスQ&A 5 月号Q.当社は、M&Aで他社の株式を取得しようと検討していますが、できるだけ買収に係るリスクを回避したいと考えています。何か手立てはあるでしょうか?A.買い手のリスク2021 年版『中小企業白書』によれば、買い手がM& Aを実施する際の障壁として、「期待する効果が得られるかよく分からない」「判断材料としての情報が不足している」といっ...
今月の税務・経営トピックスQ&A
2022/04/19
ここ最近、原油価格の高止まりが続いています(WTI原油先物価格は1バレル当たり100ドル強で推移)。原油価格が上昇すると発電コストが上がり、電気代、金属資材、石油化学製品など様々なモノの値段に波及します。日銀が継続する金融緩和政策、3年目に突入したコロナ禍のサプライチェーンの混乱、混迷を深めるウクライナ情勢と相まって、容易に解消しそうにありません。 企業経営においては仕入や販管費の上昇が不可避な...
2022/04/01
2021年4~12月の上場銀行の業績は増益決算となったようです。しかし、この好決算は21年3月までに受け付けた、信用保証協会が保証することによる貸倒リスクがゼロで、さらに都道府県が利子補給することによる実質金利がゼロになる、いわゆる「ゼロゼロ融資」の急増と、そのゼロゼロ融資を中心としたコロナ緊急融資対応で倒産が減少したことに伴う貸倒引当金の縮小によるものと受け取られています。日本経済新聞は「地銀...
2022/03/18
新将命氏の『王道経営』(ダイヤモンド社刊)の中に、“人間を構成する元素から人間の価格を算定する” という面白い文章があります。 「人間を構成している成分は、体重が60㎏の人で、水40ℓ、アンモニア4ℓ、炭素1.5㎏、リン800g、塩分250g、硝石100g、硫黄80g、マグネシウム 50g、フッ素7.5g、鉄5g、ケイ素3g、マンガン3g、アルミニウム1g、その他は炭酸ほか13の少量元素だという...
2022/03/01
税務トピックスQ&A 3月号Q.電子取引データの電子保存が義務化されました。当社も準備を進めてきましたが、運用に至っていません。宥恕期間も設けられたため、電子取引について基本事項を再確認させてください。A.■電子取引データ保存改正の概要これまでは、電子取引の取引情報について、原則として電子データのまま保存するところ、代替措置として出力した書面等による保...
我が国は、長い間デフレあるいはディスインフレ(低い物価上昇率)に苦しんできました。そこで、黒田氏の総裁就任以来、日銀はインフレを起こそうと努力してきたわけですが、功を奏しませんでした。ところが、今年はいよいよその待望のインフレが到来するかもしれません。ただし、これから到来するかもしれないインフレは、日銀が想定していたものと異なるものになりそうです。 本稿では、これから到来が予想される「悪いインフ...
2022/02/21
求められる株主との対話上場企業に対して株主との対話がより一層求められています。最近では、東芝に対する会社分割案の見直しの要求、セブン&アイ・ホールディングスに対する非中核事業の切り離しの提案など、株主が投資先企業に積極的に働きかける様子が報道されました。背景に2つの原則株主との対話の重要性が増している背景には、2つの原則が策定・適用されていることが関係しています。それは、機関投資家に対する...
2022/02/01
巨額の赤字を抱える日本の財政が、果たして持続可能なのかどうかは長く論争の的でしたし、今後も大きなテーマであり続けます。先般も、現役の財務省事務次官が一般誌に、「このままでは、国家財政は破綻する」という趣旨の論文を寄稿し、話題となりました。一方、そうした従来型の経済学に基づく財政破綻懸念論に対し、強烈な反論がなされています。それがMMT(Modern Monetary Theory,現代貨幣理論)...
2022/01/18
組織や人材の成長にとって、上下関係や慣習に囚われず、仕事において感じたことを相手に率直にフィードバックすることはとても大切です。フィードバックによって、仕事のレベルをより高めていく機会が生まれ、本人の学習の機会も生まれます。フィードバックが無ければ、その逆もまた然りです。本心では、誰もが自分のしたことや行動に対してフィードバックを求めているということについて、多くの人が頷けるのではないでしょうか。...
2022/01/07
よく知られているように、決算書の数値にはストックのものとフローのものがあります。ストックの数値とフローの数値を見比べる財務指標は、その性格の違いに留意して評価しなければなりません。そして、それと同様なことは国家の計数である国債やGDP(国内総生産)についてもあてはまります。借入金と売上高ストックとは一定時点における残高であり、フローは一定期間における流れた数量の合計値です。決算書の貸借対照表はス...
2021/12/20
2021年もあと残り10日ほどを残すのみとなりました。今月の経営KEYWORDは、私が今年読んだ本の中でナンバー1だと確信している『ビジョナリーカンパニーZERO』から「与えたい気持ちにフタをするな」を選びました。 本書は、世界1,000万部超の販売実績を誇る『ビジョナリーカンパニー』シリーズの最新刊です。このシリーズの著者であるジム・コリンズが、メンターだったビル・ラジアーの教えの中から、起業...
2021/12/02
自民党総裁選において、一時、金融所得課税の見直しが話題となりました。総裁選に立候補した岸田氏が当初、見直しについて前向きと見られる発言をしたからです。ただ、その後修正したため、結局は当面見直すことはなさそうです。しかし、貧富の格差問題はそう簡単に解消しませんから、金融所得課税の見直しは、今後、折に触れ浮上してくると思われます。 この間、賛成、反対両派から様々な主張がなされたのですが、どうも議論...
2021/11/19
皆さんの会社には、採用担当者という役割が存在することと思います。 その採用担当者に、「社長、うちはどのような人財を採用すれば良いですか?」とか、「社長はどのような人財を求めているのですか?」と質問された経験は無いでしょうか。 私は、経営コンサルティングの現場や経営者向けセミナーの中で、「社長はどんな人財を求めているのですか」と尋ねることがあります。すると、「改めて求める人財と言われてもね」と、少...
2021/11/01
税務トピックスQ&A 11月号 Q.消費税の適格請求書発行事業者の登録が令和3年10月1日から始まりました。この登録制度の概要と適格請求書等保存方式が導入されるまでに準備しておくことについて教えてください。A.消費税の納税義務者となっている事業者は、顧客等より預かった課税売上に係る消費税額から仕入業者等に支払った課税仕入に係る消費税額を控除して、その差...