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あがたグローバル社会保険労務士法人船井総研 あがたFAS

贈与税非課税特例等の要件と注意点

和田 謙二
2026/10/09

「税務トピックスQ&A 2026年10月号」掲載


Q.親や祖父母、配偶者から贈与を受ける際、贈与税の負担を軽減できる制度があると聞きました。制度の適用要件や注意点を教えてください。

 

A.親や祖父母、配偶者から金銭や資産の贈与を受ける際、一定の要件を満たすことで贈与税の負担を軽減できる制度が複数用意されています。上手に活用することで家族間のスムーズな資産承継や生活支援が可能になりますが、制度ごとに要件や申告義務、注意点が異なります。主な制度の仕組みとポイントを解説します。


■暦年課税の基礎控除(年間110万円まで)

 贈与税の最も基本的な仕組みで、受贈者1人あたり年間110万円までの贈与であれば贈与税がかからず、申告も不要です。ただし、税制改正により死亡前7年以内の贈与は相続財産に持ち戻して加算されるルールに変更されたため、計画的な生前贈与の活用が重要となります。


■相続時精算課税制度(累計2,500万円+年110万円控除)

 60歳以上の親・祖父母から18歳以上(その年の1月1日現在)の子・孫へ贈与する際に選択できる制度です。累計2,500万円の特別控除枠があり、枠内の贈与であればその時点での贈与税はかかりませんが(超えた分は一律20%)、相続発生時に相続財産と合算して精算します。さらに、2024年以降は年110万円の基礎控除が新設され、年110万円以下の贈与なら申告や相続財産に持ち戻しての加算が不要となりました。一度選択すると暦年課税に戻せない点や、選択届出等の提出が必要な点に注意が必要です。


■住宅取得等資金贈与の非課税特例

 親や祖父母からマイホームの新築・購入・増改築のための資金贈与を受ける場合、一定額まで贈与税が非課税となる制度です。省エネ等住宅は最高1,000万円、一般住宅は最高500万円までが非課税対象です。本特例を適用する場合、受贈者と対象住宅について一定の要件を満たす必要があります。また、非課税額以下であっても期限内の申告が必須です。


■結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例

 18歳以上50歳未満の子や孫に対し、結婚や出産・育児に必要な資金を一括贈与する場合、受贈者1人につき最大1,000万円(結婚資金は最高300万円)まで非課税となります。金融機関での専用口座開設や領収書の提出等が必要です。


■贈与税の配偶者控除(最高2,000万円控除)

 婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための資金を贈与する場合、基礎控除110万円とは別枠で最高2,000万円(合計最大2,110万円)まで控除される制度です。同じ配偶者間では生涯に1度しか適用できないことや控除額以下であっても申告が必須である点に注意が必要です。


■都度贈与(生活費や教育費の非課税)

 扶養義務者から通常必要と認められる範囲の生活費や教育費を「その都度」援助してもらう場合は非課税です。ただし、将来分を一括で振り込んだ場合などは課税対象となる可能性が高くなりますので注意が必要です。


■手続きの徹底と専門家への事前相談

 贈与税の配偶者控除や住宅取得等資金贈与、相続時精算課税制度を適用する際は、納付税額が0円であっても申告が必要です。特に贈与税の配偶者控除では不動産の名義変更に伴う登録免許税や不動産取得税などの諸費用も含めた総合的な検討が必要です。ご家庭の状況に応じた最適な対策を行うためには、あらかじめ税理士等の専門家へご相談いただくことをおすすめします。

執筆者

和田 謙二Kenji Wada

マネージャー・税理士・行政書士・AFP

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